ガンとは一体何なのか
ガンが日本人の死因のトップになったのが1982年のことです。ところが調べてゆくうちに分かったことですが、ガンの本当の意味での原因は未だ特定されていないのが現状です。
ただ原因は様々でも、約60兆個あると言われている人間の細胞の遺伝子が変異することによって起こる病気です。
人間はたくさんの細胞の集まりです。各細胞は血液によって運ばれてきた栄養素と酸素を用いて生きています。
増殖しない脳神経細胞と心筋細胞を除くすべての細胞の寿命は短く、それぞれ定められた回数だけ増殖し、死んでゆきます。これらのサイクルは遺伝子によって厳しく管理されています。
しかし、この遺伝子は常に化学物質や放射線などによって脅かされ、ダメージを受けています。本来ダメージはすぐさまDNA修復酵素と呼ばれるものの働きで修復されます。
何らかの原因でダメージを完全に修復し尽くせないなかったときに、その箇所から変異が発生します。
変異の状態によってはその細胞に寿命がなくなります。この不死身の細胞のことを「ガン細胞」と言います。
「腫瘍」とは様々な器官で増殖した異常細胞が塊になったものを言います。腫瘍には悪性のものと良性のものがあります。良性の代表例がイボと子宮筋腫です。転移せず、どちらも手術によって容易に取り除くことができます。これに対して、血液の流れに乗って転移するのが悪性です。悪性腫瘍のことが「ガン」のことです。
また、腫瘍の特徴に増殖が挙げられます。増殖には2通りあり、ひとつは細胞の塊がどんなに大きくなってもちぎれずに全体としてのつながりを保っているもので、結果として周囲の正常な細胞を圧迫します。これを圧排性(あっぱいせい)あるいは膨張性増殖と呼んでいます。これに対して、増殖した腫瘍細胞がどんどん本体からちぎれ、周りの正常な細胞の中に飛び散り、正常な細胞との境界がわかりにくくなるものを浸潤性増殖と呼んでいます。
良性の腫瘍は圧排性のみであるのに対して、悪性のものは圧排性・浸潤性の両方があります。ただし、良性腫瘍で命を落とすということもあれば、悪性でも死にいたらぬということもあります。
ガンの特徴として浸潤性の増殖が挙げられます。ちぎれて周囲に飛び散ったガン細胞は、リンパや血液の流れに乗って遠くの臓器へと運ばれてゆき、そこに居ついて新たな増殖を開始します。これを転移と呼んでいます。最初にガンが出来たところを「原発巣(げんぱつそう)」、転移したところを「転移巣(てんいそう)」と呼び分けています。
転移のルートにより、リンパ管を経由するものを「リンパ行性」、血管を介するものを「血行性」といい、このほかに腹腔や胸腔の内側にガンが発生した場合に、ガンが臓器のすき間にばらまかれるようにして飛び散り、ガン性腹膜炎やガン性胸膜炎を引き起こすものを「播腫(ばんしゅ)」と呼んでいます。
一口にガンと言っても、肉腫・白血病・リンパ腫・がん腫などその種類は様々です。肉腫とは骨や筋肉、白血病は白血球や造血器官に、リンパ腫はリンパ組織に、がん腫は皮膚や膜組織にできるものです。
ガン腫は扁平上皮(皮膚や食道などの表面)・線上皮(分泌上皮ともいい、胃や腸などの部分)・移行上皮(膀胱などの内側の粘膜)と呼ばれる組織から発生するもので、ガンのほとんどはこれです。
肉腫は筋肉・神経・脂肪・結合組織・血管・血液・骨・軟骨から発生するガンです。
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